石垣島の移住に失敗しないためには?島の特徴や移住のメリット・注意点も解説
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沖縄の中で特に観光先としても人気な石垣島。一度は移住してみたいと憧れを抱いていても、「失敗や後悔しないか不安」などと悩む方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、石垣島の特徴からメリット・デメリット、住まいや仕事などの生活事情まで解説します。石垣島へ移住を考えている人はぜひ参考にしてみてください。
目次
石垣島の特徴・魅力
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まずは石垣島の特徴や基本情報について押さえましょう。
石垣島の基本情報
人口 | 人口約49,000人 |
---|---|
総面積 | 222平方Km |
交通 | 車・路線バス・タクシー |
石垣島へのアクセス |
|
買い物 | スーパー、コンビニ、ドラッグストアなど |
学校・教育機関 | 保育園、幼稚園、小・中学校、高校 |
医療機関 | 総合病院、診療所、歯科診療所 |
日本列島の最南西端の石垣島は、台湾まで約270㎞と近距離な場所に位置する国境の都市であり、アジアとの結節点となる位置にあります。沖縄本島の那覇から約410km、那覇空港からは飛行機で約1時間の距離に位置し、八重山諸島のメインアイランドであり玄関口となっています。
石垣島は、沖縄本島、西表島に次いで3番目に大きな島です。亜熱帯の自然を活かした農業や漁業、マリンスポーツを中心とした観光業が盛んで、リゾートホテルやショッピング施設もあるため観光客からも人気の高い観光地となっています。
令和5年石垣市入域観光推計表によると、コロナ時のピークからは減少したものの、年間観光客数は118万人を超え、国際線からアジア圏の観光客も増えています。
石垣島の気候や台風
石垣島は、亜熱帯海洋性気候に属し、年間平均気温が24.4度、最も寒い1月でも18.6度と一年を通して温暖な気候が特徴です。5~6月の梅雨が明けると、本格的な夏になり7~9月あたりは平均気温30度前後で暑さが続きます。
年間降水量は2,000mmを超えており、梅雨の時期や台風期は特に降雨量が多くなります。また、例年、夏季には台風が多く来るため、大きな被害を受けることも。事前の適切な台風対策が必要です。
石垣島の交通アクセス
石垣島までは直行便が出ており、東京(羽田空港)から約3時間30分、大阪(関西国際空港)から2時間45分、名古屋(中部国際空港)から約3時間、福岡(福岡空港)から約2時間でアクセスできるので非常に便利です。
また、沖縄本島の那覇からも飛行機で約55分~、宮古島からは約30分でアクセスできます。混雑期などの時期によって便数が異なるため、詳細は各航空会社へお問い合わせください。
石垣島の観光スポット
石垣島の定番スポットとして必ず訪れたいのが川平湾です。沖縄県で唯一国の指定名勝地に選ばれるほど美しい海とされています。白保海岸は、世界最大級のサンゴ礁が見られ、アオサンゴを含む120種類以上のサンゴが生息しています。水面近くでもサンゴを見ることができ、シュノーケリング初心者にも人気です。
そのほか、浜島は干潮の時だけ姿を見せる『幻の島』と呼ばれる無人島でマリンスポーツも楽しめます。宮良川は広大なマングローブが生息する川で、カヌーでクルージングするとさまざまな動植物に出会えるのも魅力。石垣島の海は世界屈指のダイビングスポットとしても知られ、巨大なマンタに出会えたり、満天の星空が眺められるなど数多くの観光スポットがあります。
石垣島に移住するメリット
石垣島移住のメリットについて、以下のようなものが挙げられます。
自然の中でゆっくりした時間が過ごせる
石垣島移住の最大のメリットは、なんといっても自然豊かな島でゆったりとした島時間が過ごせる点です。北西部には日本百景に選ばれた川平湾などの絶景スポットも充実しているほか、休日にはスキューバダイビングやサーフィン、シュノーケリングなど身近にマリンアクティビティが楽しめるのも魅力といえます。
寒暖差が少なく過ごしやすい
石垣島の年間平均気温は24.4度と過ごしやすい気候で年間の寒暖差も少なく、1年を通して過ごしやすい気候も魅力です。年間で一番寒い1月でも最低気温が15°を下回る日は少なく、東京の4月並みの気温となっているため寒さが苦手な方にもおすすめです。10~11月でも最低気温が20度以下になる日は少ないため、秋冬も暖かく過ごせるでしょう。
周辺の離島に遊びに行ける
玄関口といわれる石垣島は、周辺にある八重山諸島へアクセスしやすいのも魅力。石垣島から一番近い離島である竹富島へは高速フェリーで約10~15分程度でアクセスできます。そのほか、島のほとんどが亜熱帯林に覆われる西表島や、日本最西端で台湾まで約111kmの位置にある与那国島など、離島により雰囲気が異なり個性あふれる自然や文化に触れることができます。
生活しやすい
石垣島は、離島だから生活しにくいのでは?と思う方もいるかもしれませんが、実は大型チェーン店が多くコンビニなども存在しているため、生活しやすい環境といえます。スーパーやドン・キホーテもあり生活用品の調達も可能です。
島内の移動は車があると便利ですが、バス網が整っているため運転ができなくても路線バスの利用ができます。また、病院や保育園や小・中・高と学校もあり、ファミリーでも生活しやすい環境が整っているといえます。
生活費など消費支出が抑えやすい
LIFULL HOME'S スマイインデックスの石垣市の支出データによると、石垣島の消費支出は全国平均以下で、単身世帯が113万円/年間、二人以上の世帯では203万円/年間となっています。
このことから、平均でみると消費支出が低いため生活費などを抑えやすいといえます。また、単身世帯も二人以上世帯も年間支出の中で最も割合が大きいのが食費となっていますが、ローカルスーパーで安く地元の食材を手に入れるなど工夫することで、さらに節約ができ経済的にも充実した生活が送れるでしょう。
石垣島に移住する際の注意点・デメリットはある?
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石垣島はたくさんの魅力がありますが、移住にあたってのデメリットや注意点も押さえておきたいところでしょう。例えば、以下のような注意点が挙げられます。
湿度が高くじめじめしている
石垣島は、高温多湿のため年間を通して常に湿度が高くじめじめしているのが特徴です。
相対湿度は、年間を通じても75%と非常に高い傾向にあります。そのため、天井や壁、床など家のあらゆる場所にカビが発生しやすく、こまめな換気や除湿を行うなどカビ対策も行う必要があります。
また7月~9月の台風シーズンには高確率で台風が来ます。台風が来ると停電やスーパーなどで食料品や日用品が品薄になることもあるため、事前の台風への備えが欠かせません。
娯楽が少ない
石垣島は、生活に困ることは少ないですが、都会のような娯楽が少ないのがデメリットといえます。大型ショッピングモールや映画館がないなど、都会でよくある娯楽が必須な人には向かないかもしれません。
一方で、娯楽が少ない代わりにお金を使って遊ぶ機会が減り支出が抑えられるのは魅力といえます。離島ならではのんびりとしたスローライフや、豊かな自然を楽しめる方には向いているでしょう。
虫や動物が多い
石垣島に住むとなれば、虫や動物と共存していくという心構えが必要です。石垣島ならではの独特な気候により、本土では見かけない大きなサイズの動物や虫と遭遇することもあります。
時には家の中に虫がいることもあるため、虫が苦手という方は注意が必要です。はじめのうちは慣れない環境かもしれませんが、生活していくうちに気づいたら慣れていたというケースもあるため、虫や動物との共存においては広い心で受け入れられる方が向いているでしょう。
家賃が高め
石垣市の家賃相場は高額で、SUUMO(2025年1月10日更新)によると賃貸マンションの家賃相場は、ワンルームで6.5万円、1LDKで 11.3万円、2LDKで 12.1万円となっています。移住希望者の多さにより島内の物件が不足し、それに伴い家賃が高騰しています。
対策として、空き家バンク制度や補助金などを有効に活用するのがおすすめです。空き家バンク制度とは、各自治体が、その地域にある「空き家」を賃貸(または売買)として紹介(活用)する仕組みをいいます。詳細は各自治体のサイトでご確認ください。
石垣島での生活費や物価はどのくらい?
地域によって異なりますが、輸送コストが上乗せされるため一般的に本土と比べ物価が高くなる傾向にあります。特に離島はガソリンも高い傾向にあり、令和6年度9月24日時点のレギュラーガソリン(1ℓ当たり・税込価格)は、本島平均で169.0円に対し、石垣島は194.3円で、価格差は25.3円となっています。
※沖縄県公式ホームページ:県内離島の石油製品小売価格の状況より
しかし、現地でとれる新鮮な野菜や果物、魚などは安く手に入るため、工夫をすることで一部の生活費を安く抑えることもできるでしょう。
石垣島の住まい事情
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石垣島内は病院や学校、スーパーなどが充実し生活しやすいほか、インフラも整っており、日常生活に不便はほとんどないでしょう。
しかし、賃貸物件の供給戸数が少ないため家賃は高めの傾向にあります。自治体の空き家バンク制度などを有効活用するのがおすすめです。
また、交通事情としては電車が通っていないため移動は車か路線バスが主流となります。スーパーや通勤などは自家用車やバイクを持っているとより生活しやすくなるでしょう。
▼石垣島市の家賃相場
※SUUMOの沖縄県の家賃相場情報より(2025年1月10日更新)
ワンルーム 1K/1DK 1LDK/2K/2DK 2LDK/3K/3DK 3LDK/4K~ マンション 5.6万円 5.8万円 9.2万円 9.3万円 17.1万円
石垣島のお仕事事情
石垣島市の平均月収は約21万程度、平均年収は約252万円が相場となっています。
石垣島は沖縄本島の那覇市と比べても職種や求人数が少ないため、簡単に新しい仕事が見つけられない可能性があります。また、本土に人材が流れやすく働き手が不足することで労働負荷が増加している傾向にあります。
さらに、本土と同様な仕事であっても給与水準や条件が劣るケースも。厚生労働省ホームページの「令和6年度地域別最低賃金改定状況」よると、東京の最低賃金は1,163円に対し、沖縄は952円と大きな差があります。リゾートバイトをしたりハローワークに相談したりするなど、現地の情報を集めながら積極的に仕事探しをするのもよいでしょう。
沖縄の転職には地場に根付いたお仕事紹介が受けられる「Agreキャリア」がおすすめです。沖縄県全島・石垣市を含む離島の求人も幅広く掲載しており、沖縄での仕事を効率的に探せます。詳細は以下のリンクをチェックしてみてください。
石垣島の子育て・移住支援や補助金制度
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石垣市では、「離島保育士確保総合対策事業」や「石垣市島外看護師等誘致支援事業」という移住支援制度があります。それぞれ補助対象となるには条件がいくつかありますが、保育士や看護師・保健師の方を対象とし、就労に係る移住費用などを補助する事業を実施しています。
また、石垣市は子育て支援にも力を入れています。一例として、児童手当や乳幼児健康診査や両親学級など育児に関するさまざまなサポートを提供する母子保健事業、乳幼児・小中高校生等のための児童厚生施設などもあります。また、令和5年4月より石垣市こども医療費助成制度の給付対象年齢(外来・入院)が18歳までに拡大されました。
制度内容が変更になることもありますので、最新の情報については行政の公式サイトでチェックしましょう。
石垣島移住に失敗しないために準備すべきこと
石垣島への移住を検討するなら、事前の準備が欠かせません。移住後の失敗や後悔を防ぐためには、以下のような点を押さえておきましょう。
移住の目的を明確にする
なぜ移住したいのか「目的」を明確にしておくとよいでしょう。観光に行った際の感動や憧れだけのイメージのまま衝動的に移住すると後悔するケースもあります。もちろん、憧れや感動も移住の決断につながる大きな要素ではありますが、自分に合った移住プランを立てるためにも、明確な目的や移住のイメージを持つことが大切です。
どんなことを実現したいのか、どんな暮らしがしたいかなどを具体的に書き出して整理してみるのもおすすめです。
住むエリアを大まかに決めておく
石垣島と一口にいってもエリアごとに特徴が異なるため、どの「場所」に住むか決めておくことも大切。
例えば、中心部周辺は石垣港離島ターミナルがあり、市街地エリアで多くの人の生活拠点となっています。一方で、西部は市街地から車で30~40分のエリアで有名な観光スポット・川平湾があります。北部は石垣島最北端の平久保崎や石垣島サンセットビートなどの観光スポットが豊富で大自然が広がるエリアとそれぞれ特徴が異なります。
生活の利便性や自然環境など移住するうえで、どこで何を重視するのかを明確にして住むエリアを決めることが重要です。
物件を見つける
物件はネットで探すことが可能です。不動産会社に相談して内覧することで、理想に近い住居が見つけやすくなるでしょう。また、移住定住等支援制度として住まいの支援で空き家バンクなども活用できます。
物件探しだけでなく、引越しの準備も必要です。離島への引越しは時期によって費用が異なります。繁忙期は特に費用が高くなる傾向にあるため避けるなど、料金を考えたうえで引越しのタイミングも決めるとよいでしょう。
体験ツアーに参加してみる
本やネットで調べてもなかなか現地での生活をイメージするのは難しいですよね。そんな時は、体験ツアーなどで移住を体験してみるのも一つの手です。イメージと違った、思ったよりも向いていなかった、などの後悔をしないためにも現地に足を運ぶことをおすすめします。
移住体験ツアーでは働く魅力や実際の生活をイメージできるような体験型ツアーや、リゾートバイトなどを活用する方法もあるため気になる方は情報収集してみましょう。
移住後の仕事を見つけておく
石垣島は本土よりも仕事が見つけにくいことに加え、家賃は高い傾向にあるため移住後の仕事は前もって探しておくと安心です。移住後に仕事を探す場合はそれなりに貯金が必要ですが、アルバイトであっても見つけることが難しいため、事前に情報収集をして職探しを進めておくことが重要です。もちろん、転職だけでなくテレワークで働く道もあるため、どのような働き方がしたいかも検討しましょう。
渡航費助成と呼ばれる島外からの保育士を対象に、移動費用、引越し準備費用を補助する制度もあるので、保育士の方で石垣島への移住を検討している方は行政のサイトでチェックしておくとよいでしょう。
「Agreキャリア」は沖縄県内の転職をサポートしています。沖縄県全島・石垣市を含む離島の求人も幅広く掲載しており、石垣島で新しく仕事を探している人にもおすすめです。詳細は以下のリンクからチェックしてみてください。
事前の情報収集&準備で、後悔のない石垣島移住を!
移住を検討するなら、石垣島の特徴はもちろん、住まいや仕事探しなどの生活事情も押さえておく必要があります。また、より安定した生活をするためにも移住支援や助成金なども活用しましょう。特に、仕事探しは移住先での収入源を確保するため重要です。
求人おきなわが提供する「Agre」では、転職からアルバイト探しまで幅広い求人情報を発信しており、沖縄県全島・石垣島含む離島の求人も幅広くカバーしているため、移住先の仕事探しにおすすめです。事前の情報収集と準備で、理想の石垣島移住を叶えましょう!